心の輝きは輝き続けるもの~認知症の患者さんからの学び~
こんばんは~ふくふくです🌃
ご訪問いただきありがとうございます✨
最近看護師をしていた時に、とても思い出に残っている出来事をふと思い出していたので、今回はそのお話をしてみようと思います。
(患者さんのプライバシーもありますので、その時の状況の設定を少し変えています)
私が以前勤めていた病院の病棟では高齢者の方がとても多く、寝たきりの方もいらっしゃいましたし、認知症の方もいらっしゃいました。
認知症の方は徘徊をしてしまう方もいらっしゃったので、徘徊した時にすぐに気付けるよう、ナースステーションからすぐ近くの病室が空いているときには、そちらの病室で過ごしていただいていました。
その日私は夜勤をしていて、時刻は深夜の1~2時頃だったと思います。病棟の見回りも終わり少し休憩しようかと、その日一緒に夜勤を組んでいる同僚と話をしている時でした。
ナースステーションの近くの病室の患者さんAさんが、ごそごそとベッド周りを動いていました。どうしたのか尋ねてみますと「家に帰るの」とおっしゃります。
Aさんは認知症がある方で、時々家に帰りたくなるようで、荷物をまとめて病室から出ていこうとしていた方でした。他の患者さんもいらっしゃるお部屋でしたので、ひとますナースステーションにお呼びしました。
私・同僚・Aさん、3人で他愛ないお話をしました。話をしていくうちにAさんは少し落ち着かれたようで、穏やかにイスに座り過ごされていました。しかし眠る気配はなかったので、もう少し一緒に過ごしていただきました。
私は記録を書いたりほかのお仕事もあったため、Aさんの横でお仕事をしていました。
その時ふとAさんは私の手を取りました。そして「あなたの手はとてもあたたかいね」と優しい笑顔をされて、ぎゅっと私の手を握りました。
私は突然のことだったので少しびっくりしましたが、Aさんがとても優しい表情をされていて、そのときの笑顔が印象的でした。
そして私もAさんの手をぎゅっと握り返し「Aさんの手も、とてもあたたかいですよ」と伝え、2人で笑いあいました。
私の勤めていた病院は二交代制で、二交代制は日勤と夜勤のみなので、夜勤は夕方から次の日の朝までです。
夜勤の時間がとても長いので、できるなら夜勤中は仮眠と言いますか休憩を、とれるときにとりたいところです。
この時も休憩時間をとるタイミングの出来事でしたので、休憩をとることはできませんでした。でもAさんの優しい笑顔と温かい手のぬくもりで、朝までほっこりした気持ちで頑張ることができました。
それからかなりの年月が経ちましたが、今でもAさんの笑顔を鮮明に思い出すことができます。
認知症の方の看護や介護はとても大変なことだと思います。医療者でも大変だと思うので、特にご家族は大変だと思います。
認知症により時には人格が変わったかのように、暴力的になってしまうことや暴言を吐いてしまうこともあります。そのことでご家族が傷つき落ち込んでいた様子も、お見かけしたこともあります。
けれど時々、認知症になってしまっても心の中の輝きといいますか、生き様をふとした瞬間に感じられるときがあります。
その思いに触れると、私の心もとてもほっこりあたたかい気持ちになりました。
「生きるということ」「年を重ねるということ」とても大事なことを日々教えていただいていたのだと思います。
自分が将来なる病気は、誰にも分からないし選ぶことはできません。私もいつか認知症になる時がくるかもしれません。
でもそんな時でも、Aさんのような温かい笑顔とぬくもりを感じられるような、おばあちゃんになれていたらいいなと思いました。
最近仕事のことを考えていたためか久しぶりに、看護師をしていた時のことを思い出していました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨